1-2 高杉秀人


学園最寄り駅のバスステーションでのこと。
慌てた様子でホームから走る一人の大男。
その長身はたとえ人ごみの中でも決して見失われることは無い。


大男の名は、高杉秀人。
今日は仲のいい友人とこの駅で待ち合わせる約束をしていたのだが。


待ち合わせの約束の時間より、もう5分少々遅れている。
彼にしてはいつものことだった。
その友人といえば、彼とは対照的に生真面目な男で、普段ならばとっくのとうに待ち合わせ場所に着いていて、遅れてくる秀人を苛立ちながら待っていてくれている筈だった。

普段ならば。


だが。

今日に限っては少し事情が違っていた。
乗り場に着いて、辺りを見回しても、その友人の姿が一向に見えないのだ。
場所も時間も前日に何度も確認させられている為に、間違いは無い。
間違えようが無い。目指すバスは「青碧学園行き」



「あいつ…今日に限ってさっさと先に行きやがったな…」

時間にきっちりしている真面目な友人がまさか遅れてくる自分よりもさらに遅れるとは微塵も思わなかった為、秀人は短絡的にそう思い込んでしまい、バスが来るとさっさと乗り込んで行ってしまった。


to be continued…

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